ステンレス鋼の表面処理

耐食性に及ぼす酸洗の影響

ステンレス鋼の耐食性は、溶接あるいは熱処理によって生じる酸化スケールが存在している場合には使用環境によっては大きく影響をうける。酸化スケールが生成している場合、金属素地表面にはスケール最下層(アンダースケール)が形成されており、Cr欠乏による耐食性の低下につながる。したがって、ステンレス鋼に生じる酸化スケールを除去し、正常な化組成を持つ表面にするために化学的な酸洗がおこなわれる。

酸洗の種類

 ステンレス鋼の製造過程では一般的には溶融アルカリ処理、電解酸洗処理、さらに弗硝酸酸洗が行われる。場合により最後に硝酸液による不動態化処理がなされてる。いずれの場合でも、ステンレス鋼の正常な化学組成を持つ金属表面とする必要がある。硝酸の濃度によって腐食速度(溶解速度)が異なるので、金属素地の浸食をできるだけ少なくする必要がある。

酸洗の基本はスケール最下層をすみやかに活性溶解させ、化学組成が正常値に至る時点で不動態化することである。酸洗液が複数の薬液からなるのは、活性溶解速度を大きくするためであり、スケール最下層のCr濃度が増加するに従い酸化剤の還元が不動態化の動くようにするためである。硫酸系、塩酸系の酸洗液は活性溶解作用しかもたないものとかんがえられている。

不動態化処理

ステンレス鋼の不動態化処理と耐食性

不動態化処理
不動態化処理

ステンレス鋼はその表層に、不動態皮膜と呼ばれる非常に薄い一種の酸化被膜を形成、安定化することにより、合金として優れた耐食性を示すことが知られている。この表面皮膜に関する研究は、その組成、構造解析を主に、優れた報告がある。この中でステンレス鋼を各種の強い酸化性水溶液中に浸漬した後、皮膜を剥離し、化学分析法を主な手段にして詳細な解析、検討がなされている。

近年、光電子分光(XPS)、オージェ電子分光(AES)、二次イオン質量分析(SIMS),などをはじめとする薄膜の解析手法の進歩により、合金表面の極表層の情報を非破壊のまま、あるいはその場解析することが可能となった。

特にXPS、AESなどの真空技術を駆使した分析装置の発達、さらには往来から蓄積されている電気化学的な評価、解析技術との総合的な知見を合わせ、これまで不明な不動態皮膜の構造、皮膜の厚さ、皮膜の組成まどに関する詳細な情報、解析結果が報告されている。

電解研磨

電解液中に浸漬した被研磨体(ステンレス鋼)を陽極にして、適当な対極との間で電解することによって表面を平滑、美麗に仕上げる方法を機械研磨に対して電解研磨(electrolytic polishing)という。

電解研磨の原理は次のように考えている。

金属のアノード溶解によって表面に粘性に富む酸化物が形成されるが、この粘液層と電解液との界面は平滑なので、凸部では粘液層の厚さが薄く、一方、凹部では厚くなる。したがって凸部の電気抵抗が小さくなる結果、電流が凸部に集中し溶解が促進される。一方、凹部では溶解が制御されるので均一な表面が最終的に形成される。

ステンレス鋼でもCr-Ni系などはオーステナイトの均一相のため研磨しやすいがCr系などは熱処理や圧延率による結晶粒の大小やその方位、炭化物の分散状態などの影響が大きく均一な研磨が難しい。

またCr-Ni系まどでもS(硫黄)などの成分が含まれる材料、溶接や曲げ加工などでオーステナイトの相が均一ではない場合などは同様に影響がでることがある。

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