表面処理と加工の効果

ステンレス鋼の耐候性には表面仕上げが大きく影響し、研磨仕上げに対して2Bが、あるいはBA、電解研磨、鏡面仕上げと表面粗度が小さいほど耐候性が向上する。表面を平滑化することによって、表面の欠陥が減少し、かつ、海塩粒子や降下物などが定着化しにくいことなどにより腐食発生条件が整いにくく、耐発銹性(錆び、金属の表面に生ずる酸化物)が改善されるものと考えられる。電解研磨や酸洗では腐食性の介在物や付着物を除去し、また、不動態皮膜のCr量を高め、孔食電位を高めるなどの効果も考えられる。仕上げ研磨においてSを含有すう研磨油の使用は耐発銹性を低下させる恐れがある。機械研磨の中でバフ研磨は、鏡面粗さは小さく、また加工層も浅いため、耐食性、清浄性などは優れ、食品設備、食卓器具、看板、化学プラントにおける塔槽類の内面仕上げ、化粧管の表面仕上げなどにも適用される。化学研磨や電解研磨は、機械研磨にくらべて耐食性はさらに向上し、特に、半導体工業をはじめ超純水などを扱う機器類などで重要な金属イオンや表面不純物の溶出制御において電解研磨仕上げ面が優れている。耐食性の観点からは、表面加工処理は、処理方法が材料側に及ぼす変化とそれよる環境に対する耐食性を考慮し、処理方法と材質の選択が必要となる。また、耐食性が老化する処理を施した後に、不動態化処理などを行い耐食性を回復することも可能であり、複数の処理を組み合わせて適用することも重要といえる。

実用材料

 サニタリー管は略農乳業、飲料、醸造、製菓および製薬などの食品加工機械に使用されている。食品機械に用いられる材料は食品が直接接触し、食品衛生法に規定されているように安全で清潔な品質が要求されているので、食品に対する耐久性に優れ、損耗などへの抵抗があり、風味への影響のないステンレス鋼管が推奨されている。管表面の内外面仕上げには♯400~♯800研磨やバフ研磨が行われる。また、用途によって電解研磨をすることもある。半導体プラント用配管では、半導体製造装置の高集積度化が進んでいるが、内面粗度が小さく、かつ内面の清浄なオーステナイト系ステンレス鋼管が用いられており、内面粗度が3.2μm以下の高輝熱処理仕上管(BA管)、0.7μm以下の電解研磨仕上げ管(EP管)が使用されている。管内面の清浄性もパーティクル、水分などの極めて少ない管が必要とされている。また、継手類、バルブ、」タンク、遠心分離機、ポンプ、熱交換器、濃縮機、乾燥機、充填機などは食品製造工業などの表面仕上げは、一般にバフ研磨仕上げがされており、接液面の粗さは♯400(バフ研磨の粗度)ぐらいである。表面仕上げの程度は、耐久性に影響を及ぼすが、必要以上に研磨をしても向上しない。食品加工機械は、見た目が美しいことが衛生面で重要であるとする考えが強かったが、近年では表面仕上げの程度について経済性や機能面を重視した仕上げが用いられるようになってきている。医薬品、バイオテクノロジーなどの製造設備に使用するステンレス鋼の表面処理では食品プラント同様に表面をスムーズにするため、バフ研磨仕上げをしている。しかし、培養槽、蒸気発生設備、蒸留水製造設備などの滅菌操作により加熱、冷却を繰り返したり、常時熱がかかっている設備の表面で、研磨剤が浮き出ているかステンレス鋼の腐食あるいは両方の作用により表面に茶色の皮膜が付着する現象が発生している。このためバフ研磨した後で、さらに電解研磨を行うことも、徐々に増えてきている。バフ研磨では、鋭角で細やかな角が多数見られ、この隙間に研磨剤や好ましくない物質が入り込んでいることも考えられる。一方、電解研磨仕上げをした表面は凹凸があるのは同じであるものも、大きくなだらかに研磨され研磨剤も電解研磨時にはほとんど除去されており、より望ましい表面仕上げといえる。ただし、価格面では不利である。

 

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東京都鍍金工業組合  城東支部
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日本鍍金協会 十日会
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